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治験2日目
今日からは投薬後の経過を見るだけなので本当に暇な一週間を過ごすことになりそうだ。
病棟?施設?ベッドルーム?適切な言葉が見つからないが、その入口のところに自分のベッドがあるので、
若干の気恥ずかしさを持ちながらブログを更新している。
ノートパソコン、スマートフォン、数学書、漫画、小説、ゲームと、娯楽物はなんでも持ち込み可なのだが、
自分のノートパソコンは中々大きいので恥ずかしい。
普段の服装は支給されたパジャマを2着着まわしている。
わざわざ一日分程度の服装の洗濯をするのが面倒だ。
昨日、声ライターというテープ起こし(音声を聞きそれを文字に起こす)バイトを申込み、それのトライアルをやっていた。
留置針を刺されながら激しく左手でタイピングする作業は中々の快感であったが、
11分の文章を文字に起こすだけで2時間程かかってしまった。
それでいて最初の頃は1分当たり平均40円の賃金だという。
自分の場合は時給220円だ。
結構タイピングも頑張ったしソフトを使うのも初めてにしては使いこなせていたほうだと思ったのに、結構しんどい。
文章校正ができたり、在宅でできたりというのはメリットではあるが、正直悩みどころだ。
やっぱり働きたくない。社会に出たくない。
その点治験は良い。
(少なくとも今回は)薬を打たれるだけで飯食って寝てればお金がもらえる。
一番大きなデメリットとして薬の副作用など、健康を阻害する恐れがあるが、
生きているだけでそのような危険は常に隣り合わせで存在しているし、
なんで生きているかわからないような僕らには心地が良いくらいだ。
だからあんまり気になっていない(さすがに注射のときは少しビビったけど)。
(その後の経過観察の通所があるとか間食できないとか外出できないとかのデメリットは諸々あるが置いておく。)
実働(という名の健康観察)時間は(少なくとも今日以降は)一日2時間程度なので、概算で時給7,500円(+三食飯付)。
日本の闇だ。
こんなの社会に出れるわけがない。
今日も闇を啜っているようなベテランクズ治験者の方々と共にラジオ体操をして不労所得を得る。
久しぶりのラジオ体操は軽く汗をかくほどで、俺が集団で運動しているという刑務所のような若干の面白さもあったが、
身体を動かすことに慣れていないことを痛感したし、働きたくない。
パン屋になろう。
ラジオ体操で疲れてしまったので寝ます。