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俺が「あー。」と言うだけ

某研究集会に参加しました

某研究集会を聴講して来ました。

貴重なお話ありがとうございました。
折り紙の話でした。
普段は談話会(コロキウム)などを聴きに行っていて、学部生が居ても悪くはない(むしろ他にもちらほらいる)ような雰囲気でした。しかし今回は研究集会ということで名刺の交換が盛んに行われていたり、有名な方を指して「あの方と論文共著だ~」「昔からの知り合いだ~」などの発言が飛び交っていて、次元の違いを実感せざるを得ませんでした。サークルの部長とかでも良いから名刺を作ろうかと決意しました。
 
集会自体は司会の方が呼び寄せた、折り紙に関わる各地の方々が自分の現在の研究成果を30分で話していくという大変ブレインがストーミングしそうな集会でした。
また、文理融合と銘打っていたので工学寄りの方も多く、期待していたゴリゴリの数学の話は聴けませんでしたが、その分折り紙の話ということもあってか予備知識無く入り込み易い内容ばかりでした。自分が研究者だったらもっと楽しかっただろうなあ。一方で、俺が今やるべきは純粋数学だろ、という想いも溢れてブレインがストーミングしそうでした(同期は大学で代数学の中間テストを受けていた…)。
ということで深い話はせず、今回聴いた中で刺激を受けた話をしたいと思います。(何だか易しい話ばかりしている気がするけど真面目な講義ノートも作りたいと思っています。)

本題(キーワードで振り返る)

詳細に聴き取った訳ではないのでキーワードやフレーズで大まかに振り返り、それに付随して面白いと思われた話題を提示していきたい。

  • 折り紙式3次元プリンター

3次元プリンターには折り紙式というものがあるらしい。折り紙式は文字通り折り紙に展開図をプリントし、それを組み立てるというもので、従来の3Dプリンターに比べ大幅にコストの削減ができる(時間でも費用でも)。

それを人が折れるかロボットが折れるかという問題も中々面白い。ロボットで折ることができれば時間と人件費が削減できるが、ロボットにとって折る順序を認識するのは困難である。それを考慮すると人間の方が器用に速く折れる展開図も少なくない。そのためロボットの折る技術も盛んに研究が行われている。

一方で展開図そのものを工夫すると、折る順序が自明に近づき、ロボットで折りやすい展開図なども作ることができる。そのような方面の研究もある。

  • 折り紙の新たな活躍分野を考える(防振構造)

円筒展開伸縮構造という力を加えると潰れてまた元に戻るような折り紙を防振装置に使えないかという試み。円筒展開伸縮構造とばねを並列に並べることでなんか加わる力とその構造の傾きが0になるところを作ってそこでは振動が0になるから防振できるとかなんとか。

でもそれをモデル化して考えることは可能でも実際に作ろうとすると三成分の連結とかの部分で困難。そこで面となる部分をすべて剛体の円盤で置き換えてやってみた、ら失敗した。摩擦が高かったりしたことが原因だと思われる。そこで摩擦と剛性を減らした構造を現在開発中。

「弾性変形する」といった数学的理想系ではない折り紙の性質を用いてそれを工学に活かすというのは面白さがある、と仰られていたが共感した。現実は理想でないことは好ましくないけど、それを現実だからこそ活かせる領域があるのなら現実で起きた誤差を現実で補間できているような感覚がして許せる。

  • 折り紙を使った数学的教育

正六角形の折り紙と雪の結晶模様などの完成品を与えて、自由に開いて良いので挑戦してみましょうという折り紙教育が成功したという話。高齢者が折り紙講習に自発的に参加するなどの効果が目に見えて得られた。

一方で正六角形折り紙の制作コストがかかるというデメリットがある。しかし教材としての完成品は講習で複数個作らせて一個回収するねずみ講方式でたくさん集められるというメリットがある。

このような長所・短所の話で一同が笑いの渦に包まれたのだが、実際に何かプロジェクトをプレゼン、発表するとしたら長所・短所は最重要で一番笑えないところではないか。数学者の感覚のズレを感じた。こわい。

ただ、鶴のように何百年も「折り継がれる」というフレーズはめちゃくちゃカッコよかった。

  • 終結式を用いた円内接多角形における統合公式

終結式という解の判別式に似てる性質をもった行列式が存在する。それを使うと二つの方程式が共通根をもつかがわかる。この終結式を用いてヘロンの公式、ブラーマグプタの公式に続いて円に内接する五角形、六角形の統合公式(面積と半径の関係式)を導いたという話。正直論文を読めば良いかと思い力尽きてしまったため記憶に薄い。誠に申し訳ございません。

  • 封筒多面体とか

封筒多面体とか色々な図形の話を、主に化学などの観点から研究していった遍歴を聞いた。有名な海外の先生方と知り合いで、また様々な分野に携わる先生であり、つよそう以外の感情を失ってただただ茫然と聞いていた。

  • 多面体の平坦化

色々な多面体に関して、それを平面に潰す写像(射影、折り方)を考えるという話だった。自然と女性から写像というフレーズが飛び出すとニヤリとする変態でごめんなさい。コーシーの剛性定理、コネリーの反例、サビトフの定理、フイゴ定理など、ここに来てやっと定理が飛び出して興奮した。どれも初等幾何(たぶん)の話であり、こう言った議論を追うのは単純に基礎論に近いものを感じて楽しい。詳しくは触れられなかった(以上の定理を踏まえて平坦化していくためには~といった感じ)ため初等幾何は趣味で追ってみたい。

主に正十二面体から二層型の正半角柱へ折り畳み、さらにそれを畳潰すという話と直交多面体を折り畳む話だった。名前の付いていないような折り方がたくさん存在し、折り紙科学の先端感を味わった。

  • 発生生物学と折り紙

腸の絨毛や血管の中など折り畳まれた構造は身体の中にたくさんある。他にもカブトムシが蛹から成虫になる過程で、角は元々体内に存在しそれが出てきて成る(角は成長しない)、つまりカブトムシの角は折り畳まれて体内に存在した。といった例から折り紙とDNAおよび発生生物学の関連性を最近の研究では考えていますという話だった。逆折り紙などと呼んでいるらしい。そこに折り紙科学の話を持ってくるのは素直に「なるほど」と思った。

あと、Science誌に折紙分野ができたらしい。すごい。

  • 細胞治療、細胞培養に折り紙を活かす

バイオ、ミクロ、ナノの視点で折り紙を考えると、細胞を体内でつまんだり包んだりということが可能になる。逆に検査キットなどは折り紙の内、「紙」の性質を用いて改良できる。弾性変形の話にもあったが、折ることの性質と紙の性質の二面から迫れるというのは面白いと感じるところが多かった。

結論として細胞治療に折り紙の科学技術を用いて費用削減に貢献したいという話だったが、共培養という二種類の細胞を同時に培養したいときに折り紙を使ったという話だった。細胞が嫌う膜の上に、パーツに分かれた展開図のようなプレートを置き、その上から細胞をばらまくことで培養するのだが、膜の上で細胞は繁殖しないのでプレートの上でしか培養できない。培養が進むと細胞の牽引力によってパーツで分かれていた展開図が勝手に組み立てられてしまう。そのとき展開図に正十二面体を採用すれば、サッカーボールのような形のプレートが組みあがり、その中にアンコロモチのような共培養された細胞が存在するというロマン溢れる話だった。

 

この後デザイン思考の話があって超絶聴きたかったのだが、プロジェクターの不調等で発表が見送られたため退席し部会に向かった。

終わり
今日は部会があって忙しかったのと、明日一回も出席していない科目の中間テストがあるので短いですがもう終わります。
具体的にどのようなテーマで話を聴いたか気になる人はちらほら出している「キーワード」で検索してもらえればすぐにpdfかページが出てくると思います。
 
以下、どうでもいいこと。

 

聴いた話を事細かに呟き、まとめたい気持ちはあるのですが、大学における上下関係や繋がり、特許や論文の引用とそれに関するトラブルなど為になる話を聞きまして、Twitterでも大学とサークル(及び役職)を晒し、サークルのHPでは顔と名前を晒している以上特定され弾圧される可能性が0ではないのかもしれないとビビってしまいました。今までは特に隠す必要が無かったので気軽に名前とか名字とか言っていましたが、ここで変なこと書いてやましく思うのは嫌だし、今更個人情報を隠すのも嫌なので変なことは書かないように気を付けます。

ただ、自由に書かないのかと言われるとそうでもなく、自分自身自由に書きたい人なので、あくまで自分の書きたいことは書きつつ、わざわざ書かなくても良いようなことは話のネタとして持っておくことにします。
無事二日続けて更新できました(?)ので今後ともよろしくお願いします。